抄録
本稿では,保育所や幼稚園等に勤務する保育者277名に対し質問紙による衝動・多動傾向のある子どもの対応の有無(14項目),対応した時の保育者の困り感(14項目),保育者の認識(14項目),具体的な対応について(3項目)の調査を行った。204名から回答を得て分析と考察を行った。結果は,衝動・多動傾向のある子どもへの対応について,多くの保育者が困難を感じていることがわかった。その理由の一つとして,障害に関する概論的な知識は得ていても,現場での具体的な対応方法の知識が不足しているのではないかということが示唆された。