放射線防護分科会会誌
Online ISSN : 2432-6526
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CT透視における被曝線量の軽減について
松村 直樹氏田 浩一木藤 善浩高橋 昇久保田 博小山 一郎
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2002 年 14 巻 p. 15-

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抄録

目的 当院では透視機能を有したCT装置の導入に伴い、CT透視下IVRを施行している。しかし、難易度の高い症例および検査を施行する場合、透視時間が長時間化し、放射線業務従事者以外の介助者が必要となる。その結果、医師をはじめとする放射線業務従事者と介助者の被曝が問題となる。今回我々は、CT透視下における散乱線分布を再確認し、術者および介助者の被曝線量を低減させる方法について検討した。 使用機器 CT装置Hispeed Advantage SG GE社製放射線モニター Model 90X5-60 60cc chamber RADCAL社製水ファントム 方法 ガントリー中央部にファントムヲ置き10、30、50、70、90、110cmの地点でそれぞれ±0℃、±30°、±45°±60°方向の散乱線を測定した。また、散乱線を減少させる遮蔽物とし、ファントムに鉛エプロンを被せた場合においても同様に測定した。透視条件120kV 10mA スライス厚5mm 140kV 10mA スライス厚 5mm 結果 [graph]結語 結果から術者の被曝は50%以上軽減した。CT透視下での医師、放射線業務従事者および介助者の被曝線量を低減させる方法として、鉛エプロンで被検者を被う事が有効であった。また、散乱線の多い場所を再確認することで、さらに被曝線量が低減できる。今後も検討を行ない、さらなる被爆軽減に努めたい。

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© 2002 公益社団法人日本放射線技術学会
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