抄録
これまでの砥粒を用いた研磨では水晶素板全面を数mmまで薄く加工するため,その後の取扱に問題があることが指摘されている.水晶振動子として利用されるのは数ミリ角の領域であることから,周辺部はむしろ厚い方がその後の取扱が容易となる.そこで,縦軸研磨盤と微粒子流体研磨法を組合せ,水晶素板をconcave型,すなわち凹面状に加工する新しい技術を開発した.上部に設置した研磨パッドの回転数,揺動ストローク,押付圧力および傾斜角,水晶素板の自転数などをパラメータとして研磨実験を行い,厚さ40mm,一辺10mmの角形水晶素板の中央部に,直径7.5mm,深さ22mmのconcave型水晶素板を作成することに成功した.