抄録
マシニングセンタなどの汎用NC工作機械の送り駆動系に関する精度を底上げするために、これらの工作機械に一般的に用いられているボールねじおよびリニアガイドを用いた超精密旋盤を試作した。この超精密旋盤の設計においては、目標仕様を面粗度50nm,形状精度100nmと設定したが、リニアガイド等の要素部品の選定に当たっては特別な構造のものではなく,一般に市販されるものを選定した。旋盤本体はX軸とZ軸をT字形に配置した構造とし、テーブル移動や外力に対する変形等を数値解析して最終的な寸法を決定した。テーブル位置検出にはレーザスケールを用い、制御システムは汎用のNC装置を用いている。完成した試作機について性能を評価したところ、10nmのステップ位置決めが可能であった。つぎに、エアスピンドルにアルミワークを取り付けてダイヤモンドバイトにより旋削を行ったところ、ほぼ目標通りの面粗さを得ることができた。これらの結果をまとめ、機械の設計·製作における一連の課程、現状の評価結果および現在までに判明している問題点について報告する。