抄録
カーボンナノチューブ(CNT)を樹脂に分散·混合した複合材料を作製し,その機械的特性について検討した.ポリプロピレン基複合材料では,CNTを16vol%添加することによりヤング率は1.9倍に向上した.ついで理論式との比較から,機械的特性向上には界面接着力の向上が有効であることを示し,フィラー表面処理による界面状態の変化が機械的特性,特に引張り強度の向上にどのような効果があるかを検討した.その結果,CNT表面を酸化処理した後に官能基を導入することにより,複合材の引張強さが大きく向上することを明らかにした.