抄録
近年のIT産業の発展に伴いデジタルカメラ用のマイクロガラスレンズなどのニーズが増大しており,その高精度化,小型化が求められている.これらの光学レンズは,超硬金型などを用いたプレス成形により,生産が行われている.プレス成形では,金型の表面形状がレンズにそのまま転写されるため,より高精度なレンズの生産には,金型の形状精度および表面粗さの向上が不可欠である.本研究では,これまでに直線振動を用いた超音波援用研磨法を開発し,小径の金型表面の精度向上を実現してきた.しかしながら,直線振動による研磨では加工物の研磨面にわずかではあるが放射状の微小な研磨痕が残る傾向がある.そこで,さらに表面粗さを向上させるためにポリシャの先端を円振動させる研磨法を開発し,その効果を評価した.