抄録
近年ではエアコン,無停電電源装置(UPS)等で電流制御のためにインバータ(可変電圧・可変周波数制御装置)が多く使われている.インバータの近くで使用されている冷却用ファン内の軸受に電食が発生する現象が多発している.インバータによる高周波ノイズによって微弱電流が発生してしまい,長期間に渡って軸受内に電流が流れることが原因とされている.電食に関する研究は、鉄道車両用軸受を対象に多く行われてきたが、小型玉軸受を対象とした研究はほとんどない。そこで本研究では、高周波電食が起こる原因を究明することを最終的な目的とし,高周波環境で軸受を回転させた場合の軸受特性を調べ、小型玉軸受693を対象に無通電高周波電食の基礎実験を行った。