抄録
難削材や複雑形状品の加工に対するニーズの高まりを受け,著者らはこれらの難加工の高能率化,高精度化を達成するための技術体系の構築を目標とした取り組みを行っている.具体的には,これら加工に関する知見のデータベースに基づき適切な加工法や加工条件を提示するシステムを構築するとともに,それを踏まえて得られた加工ノウハウをデータベースへとフィードバックすることで,スパイラルアップ的に難削材加工の高度化を図ることが可能なスキームの提案を目指している.本報告では,これらの取り組みについて紹介するとともに,構築中のシステムをFe-31Ni-5Co低熱膨張合金のナノ精度加工へと適用を試みた事例について述べる.