抄録
紫外線励起下で機械研磨と化学研磨を同時に行う加工を目指し,金属素地がでるような加工を目指した.それがサブマイクロレベルの加工に適用できるか,また,0.1μm(最小6nmまである)の微細な二酸化チタンでも十分機械研磨できるかを検証し,紫外線照射による光触媒効果が研磨現象にいかなる影響を及ぼすかを検証した.ここでは,応用性の高い円筒面の紫外線励起加工を,ニッケル円筒を用いて詳細に検討した結果,次のような結論を得ることができる.二酸化チタンとカチロンを用い,紫外線を照射したら,機械研磨と化学研磨が同時に作用した平滑な研磨面を得ることができる.カチロンが多い場合,研磨面の腐蝕痕は大きくなる.二酸化チタンをカチロンに対して多くしても,腐蝕によるざらつきが大きくなり,平滑な表面は得られない.二酸化チタンを多くし,カチロンも多くすると,より平滑な研磨面を得ることができる.