抄録
ダイキャスト製品などの製造に用いられる金型には,意匠デザインの要求を満たすために自由曲面形状を含む複雑な形状を持つものが多い.このような金型のほとんどは,ボールエンドミルを用いた,3 軸,あるいは5 軸制御のNC 切削加工により製作される.NC 加工では,参照点と呼ばれる切削工具の位置を代表する点の移動経路を用いて,形状を切削する.ボールエンドミルの場合,一般的に工具先端の半球形の切の中心点を参照点として用いる.したがって,ボールエンドミルの参照点の軌跡は対象形状を外側にオフセットさせた面上に存在する.ワークからの2 次元図形の削り出しを考えると,工具軌跡は輪郭形状のオフセット曲線そのものとなる.本報告では,対数型美的平面曲線のオフセット曲線について考察する.