主催: 公益社団法人精密工学会
会議名: 2018年度精密工学会秋季大会
開催地: 函館アリーナ
開催日: 2018/09/05 - 2018/09/07
p. 82-83
フッ素エラストマーと熱可塑性樹脂とを一体成形することで、高い機能性を有したシール材の製造が試みられている。しかし、フッ素エラストマーと熱可塑性樹脂とは、分子構造や融点、硬化温度が互いに異なることから接合が極めて難しく、また、界面形状のコントロールも難しい。そのため、一体成形を行うには、高度な金型の温度制御技術が必要と考えられる。そこで、本研究では、上型と下型とが独立して温度制御できる多層圧縮成形用誘導加熱・冷却金型を用いた、フッ素エラストマーと熱可塑性樹脂との多層圧縮成形プロセスについて検討を行った。その結果、高密度ポリエチレン製の成形板とフッ素エラストマーとを二段階に分けて成形する二段階成形を行うことのより、乱れのない直線状の界面を有した多層成形品が成形できること、また、高密度ポリエチレン側の金型温度の上昇に伴い、両者の間に十分な接合状態が得られることが明らかになった。