窒化された鋼の超精密切削においてミクロ組織が被削性に及ぼす影響

温間多パス溝ロール圧延による結晶粒の超微細化

抄録

本報では，工具摩耗抑制，仕上面性状の向上を目指し，窒化前の鋼材に温間多パス溝ロール圧延加工を施し，結晶粒径をサブミクロンレベルにまで超微細粒化する．その上で，窒化前後の鋼材のミクロ組織，ビッカース硬さ及び超精密切削における工具摩耗，工具形状転写性について調査した．その結果，結晶粒が超微細粒化されることで粗大なCr窒化物の析出を抑えられた．また，工具摩耗抑制効果，被削性改善の結果についても報告する．