2021 年 3 巻 4 号 p. 81-89
本報告の目的は,楽しさを考慮した余暇活動で重度認知症高齢者の認知機能,BPSD,作業参加が改善するかをシングシステムデザインで検討することである.方法はアルツハイマー型認知症とレビー小体認知症の混合型を呈するCDR3の80歳代女性に対し,非介入期(A期:余暇活動の実施)と介入期(B期:楽しさを考慮した余暇活動の実施)を設定し,CTSD,DBD-13,MOHOSTで評価した.その結果,各指標で統計学的な有意差はなかったが,CTSDでは意味のある変化がみられた.このことから楽しさを考慮した余暇活動は,言語機能や注意機能などの認知機能,BPSD,作業参加に影響を及ぼす可能性があると考えた.