抄録
多職種連携の実践のためには,他職種が自職種に対して持つ役割認識を知ることが必要である.本研究では作業療法士の役割に関する重要度評価の自職種と他職種の違いを明らかにし、関連する要因を検討することを目的とした.他職種が持つ作業療法士の役割に関する重要度評価は作業療法士自身の評価よりも有意に低く,作業療法士との交流時間との間に関連が認められ,自由記述内容からも作業療法士との交流の有無が影響していることが示唆された.よりよい連携のためには,専門性の背景の違いや臨床での交流機会が影響を与えている可能性を考慮し,フォーマルな場面のみならずインフォーマルな場面での交流も重要であると考えられた.