抄録
本研究では,非同期型遠隔授業における自己調整学習方略支援を想定した教育介入を行い,その効果を検証した.自己調整の核となる自己モニタリングを促すための日誌の活用を行った群を対照群,日誌の活用に加え,自己調整学習能力発達モデルである社会的認知モデルの模倣・観察・自己コントロールレベルの介入を想定した自己調整学習方略に関するフィードバックを行った群を介入群とした.質問紙調査の結果,介入群のプレ・ポスト間で“メタ認知的方略”,“努力調整”,“時間管理と環境構成”の自己調整学習方略に有意な差が生じていた.このことから,介入群で行った教育介入は,自己調整学習方略支援に効果があったことが示唆された.