2024 年 30 巻 p. 59-64
近年,急激に進む気候変動や人間活動に伴い,河川環境の悪化が生じており,河川魚類の生息域の変化や減少による淡水域での生物多様性低下が報告されている.河川における魚類多様性の減少を防ぐために,流域における保全対象種や保全・修復する河川区間を特定することが必要とされる.そこで本研究では,近年実用化の進む環境DNA分析および深層学習モデルを用いて流域網羅的な魚類環境DNA濃度を推定するモデルを開発した.現地調査および環境DNA定量メタバーコーディング法による分析から得られた3魚種の環境DNA濃度と環境要因から作成した深層学習モデルは一般的に用いられる一般化線形モデルよりも相対的に予測精度が高かった.また,各魚種について実際の調査結果を反映した魚類分布を流域網羅的に予測可能であることが明らかとなった.