抄録
男性独居高齢者の日常的な作業の意味・機能・形態から被援助志向性の要因を考察した.対象:男性独居高齢者3名.方法:日常的で大切な作業の意味・機能・形態について個別的・半構造的インタビューを実施し、被援助志向性は尺度とインタビューにて把握した.結果:3名とも被援助志向性は回避的傾向を示したが、「体操」「町内会や老人会での仕事」「凧作り」などの作業を行い、それらを通じて他者の関与に意味を見出していた.考察:被援助志向性には、自己に対する否定感や自分らしさを失う作業経験の回避、さらに日常的で大切な作業を介したソーシャルキャピタルの影響が関与している可能性が示唆された.