現象学と社会科学
Online ISSN : 2434-1231
投稿論文
エディット・シュタインにおける「心的なものの因果性」の問題
レアールな生状態と生感情の告知
中川 暖
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ジャーナル オープンアクセス

2024 年 7 巻 1 号 p. 69-83

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抄録
本論文は、エディット・シュタインにおける「心的なものの因果性」の概念の位置付けを再検討することにある。たとえば、私に突如として引き起こされる高揚感や疲労感のような「心的な状態」の要因は、どのように捉えられるであろうか。シュタインは、心的な状態をレアールな生状態(生命力)による生感情の告知という現象として捉えた。また、その現象は「因果性」と「動機付け」との間の境界にある特定の心的な状態として考察される。本論文では、心的なものの因果性の概念を、生状態としての「レアールな自我」の告知としての生感情において捉え直すことにする。その際に、テオドール・リップスとアレクサンダー・プフェンダーの感情論との思想的な接続を考察することで、リップス学派及びミュンヘン・ゲッティンゲン学派が主に提示した現象学的実在論の中に、シュタインの現象学を位置づけることにする。
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© 2024 本論文著者
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