抄録
ゲーム事態でプレイヤーとして参加する被験者が選択する反応の一般傾向を検出するために,理論的には著者が提起している"要求系模型"を基盤とした"IF-THEN法"とよぶ実験手続が構成された.この方法は,実施手続と分析手続がともに標準化されている.被験者に課せられる仕事はそれぞれ異なった2×2型4水準対称2人非零和行列ゲームが30個から成る系列である.得られた反応群を分析するためのFORTRANプログラムはすでにできている.この方法によれば,被験者の反応傾向は,いわゆる社会的動機に関する9種の要求成分,すなわち,単利(A^+)・自虐(A^-)・献身(B^+)・加害(B^-)・共栄(S^+)・共倒(S^-)・優越(D^+)・卑下(D^-)・平等(D°)の比の組で示される.