抄録
継ぎ手の無いプラスチック短下肢装具(plastic ankle foot orthosis;以下PAFO)の処方項目は様々ある。今回,その中でも臨床の経験から下腿三頭筋腱部のroundに注目し,下腿三頭筋腱部のroundがPAFOの可撓性へ影響するかを検討した。3 mm厚・4 mm厚のプラスチックに下腿三頭筋腱部のroundを3タイプ設定し,計6タイプのPAFOを作製した。それらをバネばかりにて,10度底屈したときの抵抗値を5回ずつ計測し,平均値を算出した。3 mm厚に比べ4 mm厚は抵抗値が大きく,下腿三頭筋腱部のroundが深いほど抵抗値が大きかった。また,4 mm厚に比べ3 mm厚は下腿三頭筋腱部のroundによる抵抗値への影響が大きかった。結果から下腿三頭筋腱部のroundもPAFOの可撓性に影響を与える重要な因子であることが示唆された。