理学療法 - 臨床・研究・教育
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脳卒中片麻痺患者へ治療用短下肢装具を処方するにあたって
―下腿三頭筋腱部のroundと装具の可撓性について関連性を検討―
井田 真人荻野 雅史近藤 麻美増田 岳彦松谷 実榎本 陽介菊池 隼田中 直昆 恵介野内 宏之
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2006 年 13 巻 1 号 p. 27-32

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抄録
 継ぎ手の無いプラスチック短下肢装具(plastic ankle foot orthosis;以下PAFO)の処方項目は様々ある。今回,その中でも臨床の経験から下腿三頭筋腱部のroundに注目し,下腿三頭筋腱部のroundがPAFOの可撓性へ影響するかを検討した。3 mm厚・4 mm厚のプラスチックに下腿三頭筋腱部のroundを3タイプ設定し,計6タイプのPAFOを作製した。それらをバネばかりにて,10度底屈したときの抵抗値を5回ずつ計測し,平均値を算出した。3 mm厚に比べ4 mm厚は抵抗値が大きく,下腿三頭筋腱部のroundが深いほど抵抗値が大きかった。また,4 mm厚に比べ3 mm厚は下腿三頭筋腱部のroundによる抵抗値への影響が大きかった。結果から下腿三頭筋腱部のroundもPAFOの可撓性に影響を与える重要な因子であることが示唆された。
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© 2006 社団法人 埼玉県理学療法士会
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