理学療法 - 臨床・研究・教育
Online ISSN : 1880-8948
Print ISSN : 1880-893X
ISSN-L : 1880-893X
研究と報告
立位姿勢観察による歩行時上半身質量中心動揺特性の推定
鈴木 陽介金子 誠喜金村 尚彦西原 賢原 和彦
著者情報
ジャーナル フリー

2010 年 17 巻 1 号 p. 18-21

詳細
抄録
上半身の質量は下肢の筋活動に大きな影響を及ぼすことから,動作中に上半身質量中心点を推定することは重要である。本研究では,健常成人を対象として,静止立位時と歩行時において上半身・下半身質量中心位置の前額面上の関係性を捉え,静止立位時の各質量中心位置の評価から歩行時の質量中心の動きが推定可能かどうかを探索した。測定は,3次元動作解析装置を使用して静止立位および歩行を計測し,静止立位時の上半身質量中心偏倚量と歩行時の各立脚相における偏倚量の関係性を求めた。その結果,前額面上の上半身質量中心偏倚量において静止立位と左右立脚相の差の間に強い正の相関がみられた。このことから,静止立位における上半身および下半身質量中心の配列を観察することが歩行時の身質量中心の変位パターンの推定につながることが示唆された。
著者関連情報
© 2010 社団法人 埼玉県理学療法士会
前の記事 次の記事
feedback
Top