理学療法 - 臨床・研究・教育
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研究と報告
脊髄損傷者の動作自立までの期間
―改良Frankel分類に着目して―
武川 真弓高橋 恵子杉山 真理山崎 大川口 桂蔵中野 克己
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2010 年 17 巻 1 号 p. 27-30

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抄録
当センターに入院した脊髄損傷者92名から,移乗や歩行についての獲得日数,自立に至った割合を調査・検討した。対象を疾患部位別,改良Frankelの分類(以下F分類)別に分け,発症日からi)移乗動作自立までの日数,ii)病棟内歩行自立までの日数,iii)屋外歩行練習開始までの日数を比較・検討した。疾患部位およびF分類毎に順位相関係数を求め,より有意に上記3項目に関係のあったF分類を予後予測の指標として選んだ。さらにF分類を有意差のあるグループに分け,動作自立した割合・日数を求めた。移乗・歩行ともにD群が有意に早く自立・実施できた。しかし,C群の中でもC2群は約37%の例が屋外歩行練習を行う結果となっており,C2の要素は歩行練習を行えると考えた。予後予測をするときにはF分類を評価し,C2群は屋内歩行,D群は屋外歩行自立を目標にできる可能性が示唆された。
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© 2010 社団法人 埼玉県理学療法士会
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