理学療法 - 臨床・研究・教育
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研究と報告
Timed Up & Go Testの所要時間の差を決定する運動要素の検討
―若年者と高齢者の比較と測定方法の相違による比較から―
関根 百合香中野 佳子廣瀬 圭子田口 孝行
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2010 年 17 巻 1 号 p. 9-13

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抄録
Timed UP & Go Test(TUG)には起立・直線歩行・方向転換・着座の運動要素が含まれる。本研究では,若年者と高齢者におけるTUGの測定値の差はTUGのいずれの運動要素に現われるのか,そして,TUGの測定方法の相違(指摘速度TUGcom・最大速度TUGmax)における差はTUGのいずれの運動要素に現われるのかを明らかにすることを目的とした。健常な女子大学生と女性高齢者を対象にTUG(TUGcom・TUGmax)とTUGの運動要素(①起立,②直線歩行,③方向転換,④直線歩行と着座)の所要時間を測定し,若年者と高齢者の比較,およびTUGcomとTUGmaxの比較を行った。その結果,加齢によるTUGの差は②・④の運動要素に現れ,高齢者におけるTUGcomとTUGmaxの差は,②・③・④の運動要素に現れることが明らかとなった。したがって,TUGにおける若年者と高齢者の差および測定方法の相違(TUGcom・TUGmax)による差は歩行に関係する運動要素に現れることが明らかとなった。
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© 2010 社団法人 埼玉県理学療法士会
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