理学療法 - 臨床・研究・教育
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研究と報告
回復期リハビリテーション病棟における脳血管障害患者の転倒とFIM得点の関係
内田 亮太廣瀬 圭子小沼 佳代諸持 修岡崎 喜紀八舟 美樹田口 孝行
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キーワード: 転倒, FIM, 脳血管障害患者
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2011 年 18 巻 1 号 p. 39-43

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抄録

本研究では,回復期リハビリテーション病棟における脳血管障害患者の入院後1ヶ月以内の転倒リスクについて入院時Functional independence measure(FIM)得点から検討することを目的とした。分析対象は,2008年度の1年間に当院に入院した脳血管障害患者120例として,転倒の有無・年齢・性別・病型・入院時運動項目FIM得点(M-FIM)・認知項目FIM得点(C-FIM)・総得点(T-FIM)について調査した。入院後1ヶ月以内に転倒経験を有する者48例(転倒群)と転倒経験を有さない者72例(非転倒群)に分類して分析を行った。その結果,転倒群と非転倒群間の年齢・性別・病型に有意差は認められなかったが,入院時M-FIM・C-FIM・T-FIMでは,非転倒群より転倒群の方が有意に低い得点を示した(p<0.05)。各FIM得点を独立変数,転倒の有無を従属変数とした年齢で調整したロジスティック回帰分析の結果,入院後1ヶ月以内の転倒に注意が必要な患者の入院時FIM得点は,M-FIM60点未満の者,C-FIM30点未満の者,T-FIM90点未満の者であることが示唆された。

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© 2011 社団法人 埼玉県理学療法士会
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