理学療法 - 臨床・研究・教育
Online ISSN : 1880-8948
Print ISSN : 1880-893X
ISSN-L : 1880-893X
研究と報告
回復期リハビリテーション病棟における回復遅延群ギランバレー症候群を発症した一例
似鳥 藍子馬場 志山田 隆介
著者情報
ジャーナル フリー

2011 年 18 巻 1 号 p. 58-60

詳細
抄録
ギランバレー症候群(以下GBS)の予後は回復良好とされていたが,近年では回復が遅延するという報告がある。しかし,その回復遅延群とされた症例でも長期的なリハビリテーションの介入により,回復を認めているという報告もある。しかしながら,そのような個人の経過を追った症例報告は現在において少ない。今回,我々が経験した回復遅延群のGBSは,他院から当院へ転院した直後は身体機能は低く,基本動作においてはほぼ全介助であり,退院先は施設方向であったが,当院入院3ヶ月以降に著明な回復が認められ,自宅退院へ至った症例であった。転院初期の予測とは違う経過をたどった症例の経過を知ることができ,そして回復期リハビリテーションという限られた期間がある中では,回復期に限らず,長期的な介入な可能となるよう,退院後のフォローや地域・家族との連携の重要さを改めて知ることができた。
著者関連情報
© 2011 社団法人 埼玉県理学療法士会
前の記事 次の記事
feedback
Top