理学療法 - 臨床・研究・教育
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研究と報告
Redcord®を用いたバランス練習の治療効果について
―1ヵ月間の治療介入による効果の検討―
強瀬 敏正田中 俊一荻野 雅史佐々木 和人鈴木 英二
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2013 年 20 巻 1 号 p. 23-27

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抄録

[目的]当院にてRedcord®を用いた前方への重心移動を練習するバランス練習を新たに考案した。本研究では新たに考案したバランス練習の効果に関して介入研究を行い効果の検討を行う。[方法]対象は当院入院中の運動器疾患患者を対象とした。対象は通常練習に加えて前記のバランス練習を実施した群を介入群とし,通常練習のみの群を非介入群として2群に分け,1ヵ月間の介入効果の比較検討を行った。評価項目として,最大1歩距離,10 m歩行検査,Timed up and go test,安定性限界測定を実施した。効果の検討には統計処理として初期と1ヵ月後の評価結果に対し2元配置分散分析を行った。[結果]介入群において前方への安定性限界および前方足長率に対しては有意な改善を認めた。しかし,動的な重心移動を伴う項目については有意差を認めなかった。[結論]今回のバランス練習課題においては体幹への分節的活動が促されること,ロッカー作用の促通,課題難易度の適切な設定が可能で,静的な前方への安定性限界を改善する練習として有効であったと考えられる。

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© 2013 社団法人 埼玉県理学療法士会
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