理学療法 - 臨床・研究・教育
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研究と報告
健常若年者における呼気および吸気最大口腔内圧と頚部・体幹筋力との関連性の検討
櫻井 秋平木戸 聡史丸岡 弘
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2016 年 23 巻 1 号 p. 29-33

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抄録

[目的]健常若年者において呼気・吸気時の最大口腔内圧とハンドヘルドダイナモメーター(HHD)による頚部・体幹筋力測定値との関連性を明らかにし,HHDによる筋力測定が呼吸筋力の新たな評価法になりえるか検討した。[方法] 呼吸器系に異常の無い健常男子大学生15名に対し,呼吸筋力測定,体幹・頸部筋力測定,筋活動測定を行った。[結果]最大呼気口腔内圧(MEP),最大吸気口腔内圧(MIP)と,各測定項目の間に有意な相関は得られなかった。また筋活動測定ではMEPにおいて外腹斜筋が胸鎖乳突筋,腹直筋と比較し有意に高値を示し,MIPにおいて胸鎖乳突筋が僧帽筋,腹直筋,外腹斜筋と比較し有意に高値を示した。[考察]呼吸筋力を頚部・体幹筋力のみで推定することは困難と考えられた。しかしMEPは外腹斜筋,MIPは胸鎖乳突筋が強く反映されることが明らかとなり,それぞれを強く反映する筋力測定にて再検討することで,呼吸筋力を推定できる可能性が示唆された。

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© 2016 社団法人 埼玉県理学療法士会
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