抄録
【目的】脳卒中患者を対象にバランスディスクの運動療法の効果を検討した。【方法】対象は2012年12月~2013年6月までに当院回復期病棟に入院した脳卒中患者34名とした。対象の数を揃えるためにブロック無作為化にてわけた後,最終的には条件から除外された者と脱落者を除いた非介入群7名,介入群13名を対象として研究を行った。介入群には通常介入に加えてバランスディスク上端座位にて骨盤の前後左右の運動を各10回×3セットを週7日間3ヵ月間行った。効果判定にはFunctional Balance Scale(以下,FBS),Trunk Impairment Scale(以下,TIS)を用いて初期評価時,介入後1ヶ月,2ヶ月後,3ヶ月後に評価を行った。【結果】FBS,TISにおいて非介入群,介入群ともに初期から3ヶ月にかけてそれぞれ有意な改善がみられたが,非介入群と介入群との群間を比較した結果,有意差は認められなかった。【結論】今回の結果からはバランスディスクを使用した運動療法は有効であるとは言えなかった。脳卒中患者に対して,体幹機能を改善する効果的な運動療法を検討するために今後も条件を練り直し再度検討する必要があると考える。