理学療法 - 臨床・研究・教育
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研究論文
基礎科目に対する反転授業の効果
加藤 研太郎高島 恵
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2019 年 26 巻 1 号 p. 29-35

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抄録

 【目的】従来の予習と反転授業において,予習の精度と1週間後の記憶の定着の差を調査し,反転授業の有効性を確認するために,反転授業を理学療法教育の基礎分野の科目に導入しその検証を行った。【方法】対象は1年生前期の科目である基礎解剖生理学とした。別科目の解剖学や生理学を理学療法学と関連づけ,前述の教科の意味づけを目的としている。科目の任意の回を従来方式として予習を課し,残りは反転授業とした。予習の精度は事前確認テストを,記憶の定着は1週間後に同一内容の事後確認テストを実施した。それ以外の方法は両者で統一した。【結果】反転授業は,従来方式の授業に比べ事前・事後の確認テストともに有意に高得点であった。学生アンケートも反転授業でより肯定的であった。【結論】反転授業は理学療法教育の基礎分野の教育手法として有効であることが示唆された。

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© 2019 社団法人 埼玉県理学療法士会
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