2021 年 28 巻 1 号 p. 57-61
【目的】症候性てんかん患者の背景,身体・認知機能などから,転帰に関わる因子について明らかにすること。【方法】対象は症候性てんかんと診断され理学療法を処方された患者61例。調査項目は年齢,性別,既往歴,JCSⅠ桁になるまでの日数,離床開始病日,理学療法開始時FIM(motor,cognitive),人工呼吸器装着・鎮静・片麻痺・高次脳機能障害の有無,寝返り動作・病前ADLの自立の可否を後方視的に抽出した。転帰先を従属変数とし,多重ロジスティック回帰分析を行った。【結果】自宅群50例,転院群11例となり,多重ロジスティック回帰分析の結果からFIM cognitiveが抽出され,退院時の転帰を予測するカットオフ値は11.5点であった。【結論】症候性てんかんの退院時の転帰を予測する因子として,FIM cognitiveが一指標となる可能性が示唆された。