理学療法 - 臨床・研究・教育
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症例検討
心理社会的側面を含めた介入により歩行能力が改善し復職に至った訪問リハビリテーションの一症例
原田 脩平
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2021 年 28 巻 1 号 p. 78-81

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抄録

【はじめに】我が国において早期の社会復帰は重要な課題である。今回,脛骨・腓骨骨折の受傷から200病日以上が経過し,医療機関でのリハビリテーション(以下,リハ)を長く受療されてきたが復職困難となっている症例に対し,歩行に対する恐怖感に着目して訪問リハを実施した。【症例記述】要支援2の60歳代女性である。歩行に対する恐怖感を軽減し,歩行の耐久性が向上するよう,自主トレーニングの難易度を上げていった。また,復職への自信をつけていくように生活の中での助言を行った。その結果,3か月で復職が可能となった。【考察】復職困難となっている要因としては,長距離の独歩や立位での作業に対する恐怖感や症例本人の日常生活内での主体的な取り組みへの支援が不足していることが推察された。【まとめ】生活期のリハでは目標を明確にし,身体機能や活動能力だけではなく心理社会的側面にも着目した支援が重要であることが明らかとなった。

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© 2021 社団法人 埼玉県理学療法士会
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