理学療法 - 臨床・研究・教育
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調査報告
拘縮肩患者モデルを利用した治療者間に生じる認識の相違
―関節可動域の目標設定と改善期間に着眼して―
村田 健児髙橋 建生那須 高志加納 拓馬藤原 秀平松本 拓也田村 健太島田 直宣五十嵐 郁弥上原 優喜久保 和也
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2024 年 31 巻 1 号 p. 61-66

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抄録

肩関節拘縮(以下, 拘縮肩)は治療に時間を要する運動器疾患であり,統一された治療目標や目標期間を患者に示すことは治療上重要である。今回,凍結肩拘縮期の患者モデルを作成し,協力機関へのWEBアンケートから拘縮肩に対する関節可動域の目標設定と改善期間について理学療法士間の相違を調査した。60名の各理学療法士における屈曲角度の目標設定は120度が28.3%,140度16.7%,160度26.7%,反対側と同様まで26.7%であった。また,改善までの予測される期間は,1か月未満0%,1-3か月15.0%,3-6か月 40.0%,6-9か月 30.0%,9か月-1年13.3%であった。総じて,1)理学療法士間での関節可動域の目標設定にばらつきが大きいこと,2)改善期間においては3-6か月,6-9か月の期間が必要であると7割以上の理学療法士が考えている共通的な理解であった。

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© 2024 社団法人 埼玉県理学療法士会
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