2025 年 32 巻 1 号 p. 64-69
【目的】男子高校サッカー選手における慢性足関節不安定症(Chronic Ankle Instability,以下,CAI)の有病率と傷害脚を調査すること。【方法】調査期間は2021年12月から2022年3月で,対象は群馬県の高校サッカー部員67名でCAIの有病率を調査した。【結果】CAIと判断された者は34名で全体の50.7%,その中で両脚CAIと判断された者は17名,片脚CAIと判断された者は17名とそれぞれ50.0%であった。片脚CAIと判断された者のうち,利き脚のCAIは13名で76.5%,非利き脚のCAIが4名で23.5%であった。【結論】CAIは高校サッカー選手においても有病率の高い傷害であり,特に片脚CAIでは利き脚に多いという特性が示唆された。多くの高校サッカー選手がCAIへ移行していることを認知せず,足関節捻挫を繰り返している可能性があることが考えられた。