日本糖尿病理学療法学雑誌
Online ISSN : 2436-6544
抄録
『“北加伊道”戦線異状あり?』~糖尿病サバイバル時代! 君は生き延びることができるか?
古川 真
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2022 年 2 巻 Supplement 号 p. 9

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抄録

皆さんの町は元気ですか?もしかして,「超高齢社会」で「少子化」で「医療崩壊」していて「人口減少」して『消滅都市』なんて言われてやしませんか?挙句の果ての『コロナ禍』です!僕の生まれ故郷『釧路』はもろに『消滅都市』言われています!何だかそんなこと言われたら絶望的な気分になりますよね?でもそんな状況でもやんなきゃいけない!『でも,どうしたらいいのか?』もしそんな気持ちの方がいらっしゃったら,この学会で一緒にどうしたらいいのか考えてみたいですね! 僕はリウマチ医でもあるのですが,リウマチという病気は関節が痛くなって生活や仕事がままならなくなります.それを治療することで,元の生活や仕事に復帰してもらえます.でも,糖尿病の患者さんはどうでしょうか?治療のため食事制限や運動の奨励,インスリン注射なんかになったら色々と面倒なことが一杯あります.生活や仕事が楽になるどころか,邪魔なことばっかりです.それで得られるのは,血糖値やHbA1c とやらが良くなる?だけ.一体治療に満足しているのでしょうか?でも,この自分の『生活』を見つめ直すという行為は,実は相当に重要なことではないでしょうか?糖尿病の療養というのは,突き詰めると自分の『人生』を見つめ直すことに他ならない様に思われます.療養サポートをする我々は,そういう糖尿病患者さんの『人生』に向き合うお手伝いをしているのだと,僕はつくづく思うようになってきました.そういう一人一人の患者さんとのやり取りの中で,やはり自分一人だけでは十分なサポートでもできないし,患者さん自身も一人ではやはり大変です.自分の身の回りの人達の協力があってこその療養サポートなのだなと思い至り,これはもはや『血糖値』とか『HbA1c』とかいう数字だけの問題ではなく,患者さんの『生活』や『人生』そのものの問題であり,その人を取り巻く人々の『生活』や『人生』の問題であり,その人達が住む『コミュニティ』の問題そのものに関わってくることではないかと思いました.釧路は『消滅都市』なんて行政の人から言われていますが,もしかすると『消滅』するかしないかは,そこに住む僕等の『心構え』が決めるのかもしれません.さあ,皆さん!このWith コロナの糖尿病サバイバル時代を生き残れますか?『釧路CDE 研究会』のチャレンジをお届けします!

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