日本糖尿病理学療法学雑誌
Online ISSN : 2436-6544
抄録
オンラインを活用した慢性腎臓病の重症化予防
萩原 悠太
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ジャーナル オープンアクセス

2022 年 2 巻 Supplement 号 p. 8

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抄録

職域における保健指導は,メタボリック症候群を対象とし将来の高血圧症や糖尿病などの発症を予防するための特定保健指導と,生活習慣病発症後の疾病管理支援を担い心血管疾患発症や透析予防に向けた重症化予防事業に大別される.(株)PREVENT では,保険者向けにレセプト/健診データを活用したリスク分析ならびに前述の重症化予防事業を提供している. 慢性疾患管理においては,適切な投薬治療に加えて運動や食事に代表される生活習慣管理が重要となる.その一方で,通常の診療場面や職場での保健指導環境下では,疾病管理指導に十分に時間を割くリソースに限界があることも事実である.スマートフォンアプリならびにデジタルデバイスを活用した保健指導では,インターネットを活用することで時間や場所に拘束されず,さらには客観的評価指標にもとづく介入が可能である.弊社でも腕時計型脈拍計を活用した運動指導や食事写真ならびに尿測定による食塩摂取量測定機器を活用した食事指導などを電話やチャットを介して保健師,管理栄養士,理学療法士が遠隔で提供している. 職域におけるレセプト/健診データの分析結果からは,透析の発症件数はそれほど多くない一方で,職域年代から徐々に慢性腎臓病が進行している例が目に付く.50 歳代でCKD ステージ3 を超える方も少なくない.また,職域においては,末期腎不全への移行よりも慢性腎臓病の罹患により心血管イベント発症リスクが増大することも保健指導介入の必要性を高めている.定年退職まで勤務を継続し,さらにその後のQOL を維持しつづけるためにも早期からの腎保護に向けた生活習慣管理スキルの獲得が望ましい. 本シンポジウムでは,レセプト/健診データにもとづく職域における慢性腎臓病の現状から実際に糖尿病性腎症例へのスマートフォンアプリを介した保健指導の事例をも紹介をさせていただきたい.

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