抄録
本研究は,健常な若年成人において,コントロール条件,実運動条件,バーチャルリアリティ(以下,VR)運動条件の3条件を実施し,条件前後での実行機能課題中における脳血流変化および実行機能課題成績の変化を比較検討することを目的とした。14名(平均年齢22.4 ± 1.7歳)を対象に,各条件の実施前後でタブレット端末を用いたストループ課題と近赤外線分光法による前頭前野の脳血流変化を測定した。各条件の実施前後におけるストループ課題の完遂時間は,コントロール条件(p =0.005),実運動条件(p = 0.031),VR運動条件(p = 0.022)のすべての条件で有意に短縮したが,有意な脳血流の変化は認めなかった。学習効果がみられた4名を除外した追加解析では,有意な脳血流の変化は認めなかったが,VR運動条件のみストループ課題の完遂時間が有意に短縮した(p = 0.022)。実運動条件,VR運動条件に
おいて各条件前後での実行機能課題中の脳血流変化は認められなかったが,一過性のVR運動が実行機能の改善に有益である可能性が示唆された。