関東甲信越ブロック理学療法士学会
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第29回関東甲信越ブロック理学療法士学会
セッションID: 38
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口述発表5(生活環境支援系)
当施設における短期入所療養介護の現状と休日リハビリの試み
*間中 卓也高尾 敏文田中 直樹飯塚 陽金森 毅繁小関 迪
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抄録

【目的】 2009年4月からの介護保険改訂により、短期入所療養介護(以下ショートステイ)利用者に対する個別リハビリテーションへの効果が期待されている。また、当施設でのショートステイ利用者の約6割が日曜・祝日を含めた利用であるため、2009年5月17日から理学療法士の休日出勤を開始し、ショートステイ利用者に対する個別リハビリテーション(以下個別リハ)を実施してきた。今回、当施設でのショートステイ利用者の現状報告とともに、ショートステイ利用中の個別リハが効果的だったと考えられた症例について報告する。 【現状】 2009年5月~2010年2月までのショートステイ利用者数は26名(のべ人数110名)、利用回数は合計137回でその内休日を含む利用は85回(62%)であった。平均年齢は80.9歳±9.7歳、男女別利用人数は男性10名で女性16名、平均利用日数は4.9日±3.1日、介護度別利用人数は介護度1は3名、介護度2は7名、介護度3は8名、介護度4は6名、介護度5は2名であった。疾患別人数は廃用症候群3名、脳血管疾患11名、運動器疾患6名、その他3であった。利用目的別人数はリハビリ1名、介護者休養25名であった。 【症例提示】 50歳代、女性、介護度は要介護2、利用頻度は1回/月(平均11.2日)、診断名は脳出血(2003年10月発症)、障害名は左片麻痺。2009年4月よりショートステイ利用開始。2009年5月は8日間の利用であった。初期評価の10m歩行は時間2分19秒、歩数138歩、ファンクショナルリーチは7cmであった。最終評価の10m歩行は時間1分19秒、歩数113歩、ファンクショナルリーチは11cmであった。2009年11月も8日間利用した。初期評価の10m歩行は時間1分37秒、歩数144歩、ファンクショナルリーチは12cmであった。最終評価の10m歩行は時間1分10秒、歩数101歩、ファンクショナルリーチは13cmであった。5月、11月ともにショートステイ利用中に各種能力の改善が認められた症例であった。 【まとめ】 今回報告した利用者の場合、全ての日程が日曜を含む予定であった。休日リハビリを実施することで限られた日数でのリハビリの効果をより発揮できたものと考えられる。また、当施設のショートステイ利用状況は、集中的なリハビリが主目的の利用は1名のみで、25名は介護者休養が主目的での利用であった。現状ではリハビリが主目的の利用は少ないため、ショートステイでのリハビリの効果をデータとして蓄積し、ショートステイの個別リハが効果的であることをアピールしていきたいと考えている。

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© 2010 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
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