関東甲信越ブロック理学療法士学会
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第31回関東甲信越ブロック理学療法士学会
セッションID: 209
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干渉電流型低周波が褥瘡に与える影響-シングルケーススタディー-
井澤 克也勝部 茜恵井澤 美保
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抄録
【目的】
褥瘡予防・管理ガイドラインにおいて、褥瘡治療に電気刺激療法が推奨されている。ガイドラインでは数種の通電方法が挙げられているが、交流に分類される干渉電流型低周波の褥瘡治癒に関する報告は少ない。本研究は、干渉電流型低周波が褥瘡治癒に与える影響を検討することを目的とした。
【方法】
対象は60歳代男性、主訴は脊髄梗塞によるTh12以下完全対麻痺。仙骨部、褥瘡発生し、約1年経過するも治癒に至らない、難治性の巨大褥瘡であった。干渉電流型低周波開始時のDESIGN-RはD4-E6S15i0g1n0p0:22点、褥瘡サイズは110 cm2。シングルケースデザインはABAB型( A:外用薬の標準的治療、B:外用薬の標準的治療と干渉電流型低周波)、Aは2週間、Bは4週間とした。刺激強度は40W、時間は60分間とし、5回/週で実施した。測定項目は、各期間の褥瘡サイズ縮小率(サイズ縮小面積cm2/日数)とした。褥瘡サイズの測定は週1回の褥瘡回診時に実施。DESIGN-Rの方法に従い測定し、回診に同行した褥瘡対策委員が担当した。なお、干渉型低周波治療器はSuperkine SK-7W(ミナト医科学株式会社)を使用した。
【倫理的配慮】
患者に研究内容の説明を十分に行い、研究協力の同意を書面にて得た。
【結果】
ABAB各期の縮小率はそれぞれ-1.8cm2/日、3.2 cm2/日、0.6 cm2/日、0.7 cm2/日であった。
【考察】
外用薬による標準治療のみと比較し、標準治療に加えて干渉電流型低周波を実施することで、より褥瘡サイズが縮小した。本研究で使用した干渉電流型低周波は主に疼痛緩和に使用されることが多く、その機序は筋収縮による血流促進が報告されている。また、中周波領域の周波数を使用することで皮膚抵抗が低く、通電の際の痛みを起こさずに刺激強度を上げることができるという特徴がある。今回の結果は、干渉電流型低周波により筋が収縮し、血流が促進され、その結果肉芽形成が進んだことで褥瘡サイズ縮小に至ったと考えられた。
【まとめ】
標準治療に加えて干渉電流型低周波することで、褥瘡治癒を促進することができた。
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© 2012 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
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