抄録
【目的】
我々の先行研究では回転数を上げると筋活動量が上昇し,
大腿直筋(以下,RF)よりも内側広筋(以下,VM)の活動
性が向上すると報告した。しかし,男女での筋活動量の違い
は検討されていない。
ステップエルゴメータ(BIODEX Biostep2,酒井医療株
式会社,日本)ではフットプレートが固定されているため,
脚長の違いが股関節外転角度に影響し,筋活動量が変化する
のではないかと考えた。そこで,男女での性差を比較,検討
したので報告する。
【方法】
対象は体幹及び下肢関節に障害のない健常成人 24名(男
性 12名,女性 12名,平均年齢 25歳± 2.2)とした。脚長は
右下肢の棘下長を測定した。RFとVMの二筋を被験筋とし,
無線式筋電図計測装置(NORAXON TELEMYO DTS,酒井
医療株式会社,日本)を用いて測定を行った。
方法は下肢のみでの駆動とした。回転数は 60steps/min
(以下,60rpm)と 90steps/min(以下,90rpm)の 2つを設定
し,各 12steps(6周期)を測定した。
RFとVMの筋電図計の振幅の積分値を解析し,それぞれの
回転数の比較を行った。
統計学的解析は,対応のない差の検定を用いた。
【説明と同意】
対象者には,ヘルシンキ宣言に基づき口頭により,予め研
究の目的および内容を説明し,本研究への参加の同意を得
た。
【結果】
棘下長の平均は,男性で80.9±4.3cm,女性で74.4±1.3cmで
有意差(p< 0.05)を認めた。
筋活動量は,RFの男性で60rpm;142.0uV,90rpm;172.2
uV。女性で60rpm;119.3uV,90rpm;177.7uVで有意差(p
≧ 0.05)を認めなかった。VMの男性で60rpm;165.8uV,90
rpm;230.4uV。女性で60rpm;113.1uV,90rpm;177.2uVで
有意差(p< 0.05)を認めた。
【考察】
男女それぞれにおいて,60rpmと90rpmでVMに有意差が
認められた。
ステップエルゴメータでは,男女での脚長の違いによる股
関節外転角度は関係なく,VMの筋活動量を向上させる目的
であれば,高回転数の90rpmが有効であった。