関東甲信越ブロック理学療法士学会
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第35回関東甲信越ブロック理学療法士学会
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口述
O-125 頭部拳上訓練と随意運動介助型電気刺激療法を併用した介入が舌骨上筋群の筋力に与える 即時効果の検証
坂井亮太佐藤祐出口亜衣石田茂靖荒川武士松本直人
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p. 125-

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抄録

【目的】舌骨上筋群は、喉頭周囲筋群の中でも嚥下時の喉頭挙上に関わる重要な筋群である。舌骨上筋群の筋力向上方法の一般的なもののひとつに頭部挙上訓練がある。さらに、舌骨上筋群を経皮的に電気刺激することによる改善効果が報告されている。この両者を併用した介入を施行することで、舌骨上筋群の更なる筋力向上効果が期待できるものと推測された。そこで本研究は、頭部反復挙上訓練と舌骨上筋群への経皮的電気刺激療法を併用した介入が舌骨上筋群の筋力に与える即時効果を検証した。

【対象と方法】対象は健常成人10 名(平均年齢25.4±2.4 歳、平均BMI20.7±2.2)とした。方法は、電気刺激を行いながらの背臥位での頭部反復挙上運動を30 回3 セット施行した。電気刺激には川村義肢社製MURO Solution を用いた。刺激部位は、舌骨上縁から2cm 上縁、正中から2cm 外側とした。刺激標的筋は顎二腹筋とし、筋電導出筋はオトガイ舌骨筋とした。舌骨上筋群の筋力は、課題前後に背臥位での頭部屈曲運動の等尺性収縮力をハンドヘルドダイナモメーターにて測定した。得られた値は体重で除して体重比を求め、実施前後の値をWilcoxon の順位和検定にて解析した。有意水準は5%とした。

【説明と同意】すべての被験候補者に対し研究内容を十分に説明し、同意を得られた場合のみ実施した。

【結果】施行前8.0±3.7kgf/kg、施行後10.0±3.7kgf/kg で、施行後に有意な増加(p=0.002)が認められた。

【考察】頭部挙上訓練と随意運動介助型電気刺激療法を併用した介入により、舌骨上筋群の即時的な筋力増果が認められた。これは随意運動介助型電気刺激が感覚フィードバック情報となり、正しい運動を導いたためと考えられた。今後は、対照群との比較を検証していく予定である。

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© 2016 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
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