関東甲信越ブロック理学療法士学会
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第35回関東甲信越ブロック理学療法士学会
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P-003 部分荷重練習方法がその後の片松葉杖歩行に与える影響について
大橋亮介秋月千典大橋ゆかり
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p. 187-

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抄録

【目的】部分荷重練習方法が、その後の部分荷重歩行に与える影響を明らかにすることを目的とした。

【方法】健常若年成人(以下、協力者)14 名を静的部分荷重練習群(S 群)あるいは動的荷重練習群(D 群)に無作為に振り分けた。S 群では、立位で右下肢への荷重量が体重の2/3 となるように荷重した。D 群では、右下肢への荷重量が2/3 となるように左下肢でステップ動作を行った。両群ともに左上肢で松葉杖を使用した。課題遂行時の荷重量は床反力計(KISTLER 社製)を用いて測定し、垂直方向の床反力を下肢への荷重量とした。練習試行は、1 試行3 秒間とし、計25 試行とした。その際、毎試行後に荷重量とその推移をフィードバックとして与えた。練習試行終了10

分後と24 時間後に、協力者に右下肢への荷重量を体重の2/3 にするよう教示を与えた上で、松葉杖歩行中の右下肢荷重量を測定した。本実験では、目標荷重量と課題遂行中の最大荷重量の誤差を解析に用いた。統計解析にはSPSS Statistics 21 を使用し、練習条件と測定時期を要因とする二元配置分散分析により検討を行った。尚、協力者には、事前に書面と口頭にて研究の目的、方法、研究上の不利益、プライバシー保護などについて説明し、研究協力の承諾を得た。

【結果】練習試行時の課題遂行成績には、練習条件間の有意差は認められなかったものの、松葉杖歩行中の荷重量では、D 群がS 群よりも有意に誤差が小さかった(p<0.01)。

【考察】D 群では、部分荷重歩行の文脈に近い形で荷重練習を行ったため、学習の転移が生じやすい状況であったと考えられる。その結果、荷重練習による学習の効果が部分荷重歩行にも及び、その後の部分荷重歩行中の荷重誤差が小さくなったと考えられる。

【まとめ】荷重練習を行う際には、より歩行に近い文脈で荷重練習を行うことで、その後の部分荷重歩行における荷重誤差を減少させることができる可能性がある。

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© 2016 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
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