関東甲信越ブロック理学療法士学会
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第35回関東甲信越ブロック理学療法士学会
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P-049 当院訪問リハビリテーション利用者の活動参加の現状
山下美香石川茂幸頼経貴正古川広明原島宏明
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p. 233-

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抄録

【はじめに】近年、地域包括ケアシステムの構築が市町村で進められており、いかにして住み慣れた地域で在宅生活を送っていくかが課題となっている。日本理学療法士協会は高齢者が地域で活動的な生活を送るための指標としてLife Space Assessment(以下、LSA)を推奨しており、すでに有用性も示めされている。活動参加を促していく事で生活空間の拡大を図り、社会的な役割をもっていただくことで生きがいや介護予防にも繋げていけると考えている。

【目的】当院訪問リハビリテーション(以下、訪問リハ)では、訪問リハ介入により外出頻度が増え、活動参加に繋がっているか、当事業所の現状把握を目的とし、LSA をもとに検討する。

【方法】 研究に同意を得られた訪問リハ利用者31 名。活動参加を把握するため、訪問リハのみの単独群、サービス併用の併用群の2 群に分け、2 群間でLSA の得点をMann Whithey のU 検定を用いて比較した。単独群19 名、併用群12 名、有意水準は5%とした。

【結果】各群のLSA の点数は単独群で39.0±17.0 点、併用群で24.5±9.3 点で単独群が有意に高い結果が得られた。また、当院訪問リハ利用者の生活範囲は自宅内、近所への外出までにとどまっていることが判明した。

【考察】今回の結果からLSA は要介護認定者を対象とする場合、身体機能・移動能力は当然のことながら、それ以外にも様々な要因が関連していることが予想される。利用者の意思、家族環境、生活環境などが反映され生活空間が狭小化し、活動参加を妨げている可能性もある。今後は身体機能・移動能力、LSA のみだけでなく、その利用者がかかえる生活環境の詳細を把握し、より活動参加に沿ったリハビリテーションが出来るよう、検討する必要もある。様々な因子との関連を検討する事で、活動参加、生活空間を拡大し住み慣れた地域での在宅生活に繋がるのではではないか。

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© 2016 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
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