関東甲信越ブロック理学療法士学会
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第35回関東甲信越ブロック理学療法士学会
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P-120 健康増進活動を通して症状が改善した糖尿病患者の治療経験
羽鳥航平高野利彦横山浩康
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p. 304-

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抄録

【はじめに】近年糖尿病患者は増加しており、一般的に食事療法、薬物療法、運動療法が治療選択されている。当科では、業務後に職員向けの健康増進活動を行なっている。参加者の中に、糖尿病に罹患した症例がおり、運動療法を行う機会を得た。その際の運動療法以外の側面の重要性を検討した。

【方法】健康増進活動は、業務後リハビリ室を解放し、参加者に合った運動を自主練習形式で行っている。症例は、約4 ヵ月間で計16 日、エルゴメーター10 分、3 分歩行2 セットを行った。毎回フィードバックを行い、心境の聴取や、日頃の疑問に答えるなどの心理的側面をフォローした。活動中、低血糖のリスクや運動負荷量について説明した。

他に、管理栄養士による食事療法、診療看護師による薬物療法を行った。

【結果】発症時平成27 年7 月7 日HbA1c6.7%、体重74.0kg であり、9 月24 日HbA1c5.9%、体重69.0kg と改善が見られた。思考の変化としては、体重減少、症状改善に伴い意欲が向上し、自主的にプールでの運動や食事療法について考えるようになった。症例からは、一度に全ての指導を受けるよりも、疑問に思った事をこまめに聞き、アドバイスを受ける方が生活に活かしやすいという声が聞かれた。

【考察】今回症例の心理的側面をフォローしたことで、運動療法に対する意欲の向上に影響し、継続的な治療が行えたと考える。今回の経験から、理学療法士として、患者の背景を理解し、寄り添った関わり方を意識しながら、動機づけとリスク管理、他療法についてアドバイスを送ることの重要性は高いと考えられる。

【倫理的配慮、説明と同意】本研究は、症例に対し、データの公開は研究目的であり他の目的には一切使用しないこと、データおよび対象者情報は個人が特定できる情報を削除した上で公開すること、データ提供者は本同意書で公開に同意してもいつでもこの同意を撤回できることを明記した承諾書にて説明と同意を得ている。

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© 2016 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
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