関東甲信越ブロック理学療法士学会
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第38回関東甲信越ブロック理学療法士学会
セッションID: F-053
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フレッシュマン
リハビリテーションマネジメント加算Ⅲ算定前後でのリハビリテーション会議実施状況の変化
稲田 恭平小沼 亮太倉持 貴樹細井 直人近藤 健近藤 由実
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抄録

【目的】通所リハビリテーション(以下,リハ)では,平成30年度介護報酬改定にてリハマネジメント加算Ⅲ(以下,リハマネ加算Ⅲ)が新設され,医師が利用者又はその家族に,リハ計画の内容についてリハ会議等で説明し同意を得る事が要件として加えられた.当通所リハ(定員47名,リハ専門医の専任医1名)では全利用者にこの加算を算定しており,算定以前より医師のリハ会議への参加が求められている.今回は,当通所リハにおける加算算定前後のリハ会議への医師を含む構成員の参加状況を比較する事を目的とした.

【方法】対象は平成29,30年度に実施したリハ会議1053 件とした.リハマネ加算Ⅲ算定前の平成29年度実施会議を算定前群,平成30年度実施会議を算定後群とし,群間のリハ会議の構成員数,構成員毎の参加率を比較した.解析は,Mann-WhitneyのU検定,カイ2乗検定を用い,有意水準は5%未満とした.本研究はヘルシンキ宣言に基づき,当法人理事長の許可を得て実施した.

【結果】算定前群543件,算定後群510件であった.平均参加者数は算定前群4.55名,算定後群4.52名で有意差はなかった.構成員毎の参加率(算定前群,算定後群)は,医師(31.5%,54.5%)が算定後に有意に増加(p<0.01),ケアマネージャー(88.0%,84.9%),家族(60.6%,58.0%)の参加率は算定前後で有意差はなかった.

【考察】リハマネ加算Ⅲ算定後のリハ会議では医師の参加率が増加していた.医師のリハ会議への参加は,リハ計画や医学的管理を利用者やその家族に説明する上でも有用であると考えるが,負担も大きい.今後もこの加算を算定するには医師の協力が必要であるため、負担を最小限に留めなければならない.そのため,個々のリハ会議を円滑に進めるために担当リハ専門職が綿密な事前準備を行う事が重要である.また,医師の参加率増加に向けたリハ会議開催の調整業務はリハ専門職の負担が大きく,より効率的な調整方法の確立が必要となる.

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© 2019 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
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