主催: 公益社団法人日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
会議名: 第38回関東甲信越ブロック理学療法士学会
開催日: 2019/10/26 - 2019/10/27
【はじめに】本調査の目的は介護老人保健施設(老健)において褥瘡予防対策としてのポジショニングに関し、褥瘡とポジショニングへの関心度と知識の取得源を明らかにすることである。
【方法】対象は(公社)埼玉県老健協会の会員施設に所属する職員である。調査方法は質問紙による会場調査(協会主催の勉強会)及び郵送調査(県内148施設)を用いた。 調査期間は平成30年7月22日〜10月31日とした。
【結果】回答者数1387名、無回答など25名を除く1362名を分析対象とした。職種別に医師29名、看護職員280名、介護職員516名、(管理)栄養士83名、理学療法士245名、作業療法士96名、言語聴覚士15名、ケアマネジャー77名、相談員12名、その他9名であった。褥瘡に「関心がある」、「やや関心がある」と回答した者は96.3%、ポジショニングには96.5%であった。褥瘡の知識の取得源の上位3項目は「職場スタッフから」67.8%、「勉強会」59.5%、「参考書」40.1%であった。ポジショニングでは「職場スタッフから」72.8%、「勉強会」46.6%、「参考書」28.5%であった。
【考察】老健職員の褥瘡及びポジショニングに対する関心の高さが明らかとなった。知識の取得源はいずれも職場スタッフからが最も多く、現場での実践に依拠していることが窺えた。しかし、関心の高さに比べ勉強会の機会や参考書の提供などが不足しており、職員の積極的な学習態度を促すような教育体系が十分でないことも推察される。我々PTは、職員の関心に応えるために知識や技術の修得についてチームの一員として積極的に取り組むべきと考える。
【倫理的配慮】本研究は埼玉県理学療法士会理事会の承認を得て埼玉県老健協会の協力のもと行った。調査時に目的や結果の公表を明記し、完全匿名にて実施した。調査への同意は質問紙への回答をもって得たものとした。