【目的】回復期リハビリテーション病棟(以下,回復期リハ病棟)に入院する高意欲患者と低意欲患者を対象に意欲に関わる要因を質的に調査し,その要因間の関係性を明らかにすることとした.
【方法】対象は回復期リハ病棟1施設に入院する患者とした.方法は構造構成的質的研究法を用いた.高意欲患者7名と低意欲患者7名にインタビューを行い,Steps for Coding and Theorizationにて分析した.
【結果】高意欲群では,患者要因,セラピスト要因,第三者要因の相乗効果によって意欲に影響し,意欲低下要因である,入院による負の体験を減少させている構造であった.低意欲群では,患者要因,セラピスト要因,第三者要因がリハの意欲に対して相互に影響を及ぼし,意欲促進要因が打ち消されていた.
【結論】両群ともにリハビリテーションに対する意欲は,患者個人のみに帰属しているものではなく,その患者自身とその周辺の人々,患者を取り巻く状況による相互作用性によって成立しているものであることが分かった.