2014 年 4 巻 1 号 p. 1-4
ウエルニッケ脳症を発症し,失調症状を呈した症例を担当する機会を得た.本症例の理学療法評価を通して,足趾形態・足部構造の異常に着目した.失調症状の治療において,足部に対して物理的手段を用いて力学的負荷や相互作用を変化させることは重要であるが,それのみならず,足部の機能改善は姿勢,歩行の安定化にも必要不可欠である.そこで,本研究での臨床指標を足部形態,矢状面,前額面からの立位姿勢とし理学療法アプローチを行った.その結果,足部形態・足部構造の改善,立位姿勢の安定化が認められた.原疾患の治療のみならず,2 次的障害の予防を見据えた理学療法アプローチが必要であると考える.