理学療法とちぎ
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Print ISSN : 2186-4861
症例報告
小型モータを使用した振動刺激が上腕二頭筋の関節位置覚に及ぼす影響
小野田 公霍 明丸山 仁司
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2014 年 4 巻 1 号 p. 5-8

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抄録

上腕二頭筋への振動刺激が関節位置覚に及ぼす即時効果を明らかにすることを目的とした.若年健常男性10 名を対象とした.関節位置覚検査法である同側肢での再現角度について実施した.対象者は閉眼し,肘関節屈曲60°,90°,120° の3 条件を開始位置として設定後に10 秒間保持および記憶させ,肘関節0° まで戻した.被験者は自主的にそれぞれの開始位置まで肘屈曲運動を行い,その角度を測定した.介入方法として小型モータを用いて,上腕二頭筋腱に振動刺激を行った.介入前後に同様な測定を行った.すべての関節位置覚検査の各設定角度の測定値において上腕二頭筋腱刺激前後に有意差は認められなかった.振動刺激前の1 回目の値と振動刺激後の1 回目の値では,120° において有意な低値を示した.上腕二頭筋腱を振動刺激することにより関節位置覚が過少評価する傾向が示唆された.

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© 2014 一般社団法人栃木県理学療法士会
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