1999 年 29 巻 2 号 p. 68-78
DRは設計管理の重要なツールとして活用されている.本研究ではメタ認知の視点からDRの基本機能の考察を行い, 現状困っている課題を解決する具体的な方法論を提示する.メタ認知の視点からは, DRは「設計担当者とレビュアのviewとの相互作用によるメタ認知促進の場」として考えることができ, 相互作用では設計担当者のdesign viewの重要性が指摘できる.さらに, design view形成のプロセスを提示し, これが相補型のみでなく対称型の相互作用を引き起こす要点であるとともに, 不足技術の早期発掘にも有用であることを明らかにする.最後に, DRは知識ダイナミックスによるプロセス能力に関係して, 知識デザインを基盤とする組織能力の高揚に重要な役割を果たすことを明らかにする.