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2水準過飽和実験計画を用いたパラメータ設計
松浦 峻鈴木 秀男長谷川 雄大呉 宏堯森 初男
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2009 年 39 巻 4 号 p. 492-503

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抄録

パラメータ設計に用いられる直積実験はしばしば膨大な実験回数が必要とされ,問題とされる.本論文は,静特性のパラメータ設計において,制御因子と誤差因子の主効果および制御因子と誤差因子の交互作用の中で実際に応答に影響があるものは少数であると考えることはできるが,どれが影響しているかの情報はない状況を想定し,1つの2水準過飽和実験計画に主効果および交互作用の全てを割り付けることで直積実験と比較して大幅に実験回数を削減する方法を提案する.最初に,そのような割り付けが可能となるバランス型の2水準過飽和実験計画を構成する方法を示す.次に,この実験計画によって得られたデータを基に,F検定による変数増減法を用いて変数選択を行い,選ばれた主効果や交互作用を説明変数にして応答に関するモデル式を求める.そして,得られた応答モデル式を用いて,応答の特性(望大,望目,望小特性など)に応じて制御因子の最適水準組合せを決定する.いくつかの数値実験を行い,制御因子の最適水準組合せの推定精度の観点から直積実験およびSN比による解析を用いた場合などの従来法と比較する.また,過飽和実験計画における重要な効果の検出力の検証も行う.

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© 2009 一般社団法人 日本品質管理学会
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